こちらは英国製:1820年頃に制作された9金インタリオ・フォブ・シール。鮮度を感じる赤い土台はカーネリアン。胸に矢が刺さったグリフォンがとても美しく繊細に彫刻されています。鳥の王者と獣の王者の組み合わせにより完成したこの幻獣は、創造上であるにも関わらず、長い歴史の中で本当に存在すると信じられてきました。紋章学の中でグリフォンは知恵・勇気・忍耐・リーダーシップなどの意味を持っており、死さえも恐れず危険に立ち向かう勇敢な特質を現わしています。 刺された矢は困難を、グリフォンは強靭さを意味しており、困難な中でも挫けない騎士道精神を象徴しています。僅か2㎝足らずの薄く小さな宝石の上にグリフォンの表情や毛並み、質感の違いをも兼ね合わせた世界観を神業的に描いています。神々しく立体的、威厳や勇敢さ、優美さまで伝わってきます。上部には極小の字で Industria Permanenteと彫られており、これは不断の努力を意味しています。宝石の端にほんの僅かな欠け、透かした際にうっすら線が見えるものの、外見にも使用にも全く影響しません。200年以上の年月を考慮しても非常に珍しい程、美しく良好なコンディションです。ほんのり薔薇色をした美しいゴールドのフレームと相まってシンプル・エレガントに、そしてスタイリッシュなフォブシールとなっています。